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ミュンヘン
<映画感想「ミュンヘン」>

まずはスピルバーグに謝罪したい気分。
ユダヤ人ということで「プライベート・ライアン」のように
主張の曖昧な映画だろうと想像していた本作。
・・・とんでもない誤解だった。
太い芯がある映画だ。
そして最後までそれが途切れることはない。

地味な映画だ。
たとえば主人公を追い詰めていく状況は、
すべて「・・・かもしれない」という程度のものなのだから。
けれど、その控えめさがかえって不気味なリアリティを産む。
演出のほうも、音楽の使用が抑えめでストイックな、
70年代の映画を感じさせるタッチ。
「セルピコ」「フレンチ・コネクション」「大統領の陰謀」
「マラソン・マン」「コンドル」あたりを連想。
(コッポラの「カンバセーション」の影響があるらしいが、未見)
しかしストイックな演出に徹しても、
不思議と強烈なサスペンスを感じさせる・・・
ちょっとした小物や何気ない状況を非凡なものにしてしまう・・・
のは彼らしいところ。
それが上手い効果を上げて、画面にグイグイ引きつけられていく。

さて。
今作で驚き、印象に残ったのは、「甘さ」がないこと。
スピルバーグの映画には後半に行くほど、
破綻したり、演出で強引に乗り切ったり、ハッピーエンドにしたり、
・・・そういう印象があったのだけれどそれがない。
むしろこの映画は、アンチクライマックス。
「作戦」の盛り上がりを期待すると拍子抜けするくらいだ。
しかし物語は、すべてを総括するかのように
主人公の苦悩へと収束していく。
出口が見えず、永遠に続くかのような、それ。
ここで「家族」が活きてくるのがスピルバーグらしく
救いを感じさせるけれども・・・
結局はそれしかないんだ、という虚無感も感じさせる。
結末も、バッドエンドという程のものではないが重い。
しかし主人公が見せる姿勢に、
スピルバーグの平和への真摯な思いが感じられる。
血は血を呼び、その悪循環が終わることはない・・・
それを断ち切りたい、という願いが。

「ミュンヘン」は、斬新な映画ではないかもしれない。
けれども、非凡な演出力の効果でまずはグイグイ引きつけられる映画。
スピルバーグらしからぬハードなタッチの、
しかしスピルバーグらしいサスペンスがたっぷり味わえる映画。
そして根底にあるヒューマニズムが重く重く圧し掛かってくる映画だ。

ミュンヘン
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テーマ:ミュンヘン - ジャンル:映画

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2008/12/07(日) | URL | #-[ 編集]
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