空想と現実と。エクセルシオの気ままなブログ。
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ニンゲン合格
【映画感想 『ニンゲン合格』】

黒沢清らしからぬ映画に思えたのだが。
実にこの人らしい映画だった。

10年間、昏睡状態にあった少年(モラトリアム人間のメタファーだとも思われ)が直面した現実。崩壊した家族の姿。それがポニー牧場を造ろうとすることで、やがてまた家族がまとまっていく・・・・と書くとハートウォーミングな物語に思えるけれど。これを黒沢清が描くと、奇妙な味のある映画になる。

引きの構図、長回し。情感を断ち切るかのような編集。ホラー映画でおなじみの黒沢監督の演出は、あくまでクールで客観的。日常音に比重が置かれドキュメンタリー的でありながら、一方で擬音も多用されるのも、この人らしい。・・・総じて、独特の雰囲気。ドラマだと余計にそれが際立つ。淡々としているのに物語に力があり。目が離せない。

そうやって見えてくるのは、日常/非日常(現実と映画?)の狭間にあるかのような曖昧な世界。そこでは、すべてが刹那的で不確かだ。が、ふと輝く瞬間・・・取り戻した家族の形、生の実感、人として存在した証・・・もある。

それらはやがて日常に埋没してゆく、一瞬の朧げな光。蛍のように。
映画は淡々と進み終わってゆく。けれど、確かにそのときは輝いている。

ニンゲン合格
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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